2022-09-13
【コラム№20】猫のグルーミング事情
こんにちは、ZCCの花島です。
9月に入り少しずつ秋の気配を感じるこの頃です。しかし今年の夏は暑かったですね。知り合いの猫ちゃんも食欲がなく病院へ連れて行ったら軽い熱中症と診断され、早い判断が重症にならず良かったと喜んでいました。暑いというと人も伸びた髪を切りさっぱりしたいという気持ちになります。犬や猫を飼っている飼い主さんも彼らはきっと暑いのだろうと、毛を切ってさっぱりしてあげたいという気持ちになるようです。熱中症対策の効果にもなりますね。
今回はこの夏の猫ちゃんのグルーミング、トリミング事情について取り上げてみたいと思います。猫のグルーミングやトリミングを行う店舗は少なく、困っている飼い主さんが多いことも事実です。私事になりますが、猫のトリミング専門店を営んでいますので今夏のグルーミング、トリミングの状況を少しお話ししてみたいと思います。こちらのお店は6月、7月、8月と夏が近づくとトリミングの依頼が多くなり、それぞれ月間200頭を超える猫ちゃんたちが綺麗になって帰っていきます。
猫種を見ると長毛猫が7割、短毛猫が3割という感じです。長毛猫は20年前には多かったペルシャ猫は激減し、スコティッシュフォールドのロングヘア、大型のメインクーン、ノルウェージャンフォレストキャット、ラグドール、ラガマフィンを飼われている方が多いようです。最近は特にエキゾチックロングヘア、マンチカンロングヘア、ミヌエットの来店が増えているのも販売店での増加の傾向かと思います。短毛猫は圧倒的に、スコティッシュフォールド、アメリカンショートヘアが多く、その他の品種はほぼ同じような頭数です。やはりスコティッシュフォールドは人気猫種なんですね。短毛で増えているのがミックス猫です。一般に日本猫と言われている猫たちです。これは猫を保護した、譲渡会で迎えたという飼い主さんが共生していく上で綺麗な状態で飼いたいという意識が高いことがあると思います。あるいは、家のミックスちゃんを洗ってくれるならうちの子も綺麗にしたいという飼い主さんも増えているようです。猫をグルーミングやトリミングをするという飼い主さんの意識が高くなっている事は毎年の来店数でも感じる事ができます。
では飼い主さんが猫を洗ってみようという理由をいくつか挙げてみたいと思います。
① 猫を洗ってくれるなら洗って欲しい
② 爪が切れないから専門店で爪を切るついでに洗ってもらう
③ お家でのお手入れができない
④ 長毛猫でもつれ、毛玉ができて手に負えない
⑤ 長毛猫が暑そうなのでさっぱり短くしてあげたい
などが多いようです。長毛猫で来店される方は④、⑤が圧倒的に多いようです。短毛猫は①が多いですね。お店側として一番厄介なのは④の状態で来店される場合です。もちろん、もつれや毛玉の状態で作業の難易度は異なりますがこの作業は猫にとっても負担がありますから嫌がったり、怒ったりすることが多く無理強いをするとこれがきっかけでお手入れが嫌いになってしまう事があります。また毛玉が皮膚に張り付いている子達もたくさん来店しますが、この毛玉を取り除く作業がとても難しくトリマーさんにとっては緊張を強いられる作業となります。
長毛猫の飼い主さんのご来店の理由は
① 長毛猫はお手入れが大切だから早い時期からグルーミングに慣らしたい。
② 毛玉がどうにもならなくなり手に負えない
という二つのパターンが多いようです。①に関しては販売店さんが長毛猫のお手入れについてしっかり指導して欲しいと思います。②に関しては2度とこのような状態にしないという飼い主さんの意識の向上を期待したいと思います。「猫は洗わなくても良い」という意識がいまだにあるようで、一部の獣医師でもストレスがかかるから洗わなくても大丈夫という方がいるようです。短毛猫は良いでしょうが長毛猫に関してはお手入れの重要性を販売店も獣医師もしっかり伝えてあげることが、猫と飼い主さんの快適な共生につながると思います。
猫ちゃんをグルーミングに出す効果はたくさんあります。当店でもグルーミング時に小さな腫瘍を見つけ飼い主様にお伝えし、病院へ行かれて悪性の腫瘍であることが判り事なきを得た子も何匹かおります。猫を洗うといことが単純に汚れを落とすだけでなく、爪を切る、耳掃除をする、ムダ毛を取り除く、皮膚病の発見、寄生虫の有無の確認、健康状態の確認、暑さを緩和するトリミング等たくさんの良いことがあります。まだまだ猫のグルーミングやトリミングに対応できるお店が少ないですがZCCとしてもトリマーの養成等これからもサポートをしていきたいと思います。日本中の猫ちゃん達が健康で綺麗な状態で暮らせる事を願うばかりです。