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2023-01-18 

【コラム】猫と兎

2023年、新春のお喜びを申し上げます。会員の皆様におかれまして、すこやかに新春をお迎えのことと存じます。全国キャットクラブも会員様のご協力で個体登録数も着実に増え、本年は前年以上に充実したクラブ運営を目指し努力していく所存であります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2023年令和5年5月31日までに新たな資格要件を満たす必要があります。動物取扱業が法制化された当時は、営業経験で資格要件が満たされましたが、法律の改正により新たに「指定の資格を取得している者」と限られ、そのため令和5年5月31日までに資格要件を満たす動物取扱責任者を選任できない場合、当該の日時以降は事業所を営むことができなくなります。古くから営業をされている方の中には現時点で資格を取得されていない方もいるかと思いますので、早い時期に対応をお願いいたします。
 
今月のコラムは今年の干支「うさぎ(兎)」について取り上げてみようと思います。分類学上では一般的な「ウサギ」は北方真獣類→真主齧上目→グリレス大目→ウサギ目となります。ここに穴ウサギ、ノウサギがいます。ウサギ目と同等位置に齧歯目でネズミ、リス、ビーバーなどがいます。歯が特徴的な動物ですね。ついでに皆さんの大切なネコは分類学上どうかと言うと、脊椎動物門哺乳網→食肉目→ネコ科→
ネコ亜属→イエネコとなります。分類学上の呼び名は「ネコ」「キャット」ではなく「FELIS]ですね。細かく言うと大型ネコのトラやライオン、中型ネコのウンピョウ、ユキヒョウ、小型ネコのヤマネコやイエネコはネコ亜属ですがチーターは分類上チーター属と別分類になるんですね。大人になると四肢の爪が出っ放しになるのでトラやライオンと区別され、チーター属になります。それからイリオモテヤマネコは歯の数が一般的なネコ属の歯の数より2本少なく、トラにあるような耳の後ろにある虎耳状班があると言うことで新たなネコ属としての動きがありましたがネコ属に取り込まれてしまいました。今では絶滅危惧種となっています。
 
ついついネコ人間ですので猫の話しが長くなりましたが、本題のウサギです。ウサギはなんと言ってもあの大きな耳ですね。風や音の方向に耳の正面が向くということができます。また耳が薄く毛細血管が透けて見えるので大きな耳介に風を当てることで体温調整ができます。食性は植物食で草や樹皮、果実などを食べます。昆虫やアリを食べる種もあるようです。声帯はないので滅多に鳴く事はありませんが、スタンピングという足踏みでコミュニケーションをとるようです。眼は頭部の上方にあるので広範囲を認識することができます。猫とは違いますね。門歯は一生伸び続けますから猫とは異なります。歯の数はなんとイリオモテヤマネコと同じです。一般的な成猫よりは2本少ないですが、猫に近い歯数です。爪の数も同じく前肢の指は5本、後肢は4本と猫とおなじです。しかし猫の魅力の一つの肉球がありません。脚はご存知のように後肢が長く跳躍走に優れています。胎生は猫と同じく交尾排卵動物です。周期性はあまりないようです。妊娠期間は種類により30~50日と様々なようです。一回の出産頭数はほぼ猫と同じです。
寿命は5~11年くらいと猫よりも短いですね。

ウサギは以前、小学校でのふれあい動物として飼育されていることも多く、最初に触れる動物として親近感があったのではないでしょうか。実際の家庭での飼育はデリケートな動物であるのでストレスで体毛をむしったり、門歯が伸び続けますからコードや家具を齧ったりで、なかなか難しい面もあります。しかしながらネザーランドウサギ、ミニうさぎ、ロップイヤー、ミニレッキスなどは根強い人気種となり家庭飼育されています。

最後に「神兎」というのをご存知でしょうか。子孫繁栄をもたらす白兎を祀った神様です。神話の中で因幡の白兎はワニに襲われた小動物ではなく「兎神」という神様で「白兎」「大兎」という名前で神社に祀られています。全国では50近くの「兎神」を祀る神社があるようです。宮城県高千穂の高千穂神社、荒立神社。出羽三山の月山、羽黒山のウサギなどがよく知られています。猫にも「猫神」がありますね。バステトは猫の女神としてエジプト神話で出てきます。日本においては「招き猫」で知られるように福を呼ぶ黒猫、穀物を守る、子孫繁栄などと猫を祀る神社があります。
ウサギも猫も人と深く関わる存在として、これからも多くの人に愛されることでしょう。唯一残念なことは12の干支に「猫」がないということでしょうか。少しはウサギの知識が増えましたでしょうか?
本年もコラムをよろしくお願いいたします。

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