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2023-06-12 

【コラム】猫と考える災害時の避難について

こんにちは、ZCCの花島です。
2023年も6月に入り、1年の半分が過ぎようとしています。毎年毎年1年の経過の早さを感じるこの頃ですが、会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。6月というと梅雨、雨の多い日が続く月です。最近は線状降水帯という短時間に集中的にたくさんの雨が降るという気象状況が見られます。今月の初めも和歌山、愛知、静岡、茨城県で多くの被害がありました。会員の皆様の中でも被災をされた方もいたのではないかと思います。この場をお借りして心よりお見舞い申し上げます。
 
今月のコラムは、このような大雨や地震で被災をされた場合、自宅で住むことが危険になると避難所等を利用しなくてはなりません。猫を飼ってなければ身体一つで避難所に行けば良いのでしょうが、実際猫を飼育している場合の対応を少し考えてみたいと思います。
 
環境省のホームページを確認すると「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」には、猫も飼い主と一緒に避難する「同行避難」を原則としていますが、「災害の対策には「自助」「共助」「公助」があり、まずは「自助」で「公助」でのペットフードや水の支援が困難な場合があるので、飼い主は災害時にペットの安全と健康を守り他人に迷惑をかける事なく災害を乗り越えてペットを適正に使用管理していく責務がある」としています。よって支援はなかなか難しいのが現実であることも認識しておく必要があります。ですから自身でしっかり猫を守るための準備をしておかなくてはなりません。もちろん飼い主様の生命や安全が優先ですから被災の状況次第では、最悪、猫をおいての避難もあるということも事前に理解し、また避難所によっては猫の同行避難を受け入れてない避難所もありますから、災害に備えてお住まいの自治体の避難場所と受け入れ条件等、しっかり事前に確認しておくことが大切だと思います。事前に受け入れてない避難所と確認した場合は車中やテントでの同行避難、一時的に被災してない知人や親戚にお願いする、保護施設、動物病院、ペットホテル等の利用もスムーズに出来るよう確認しておくことも必要だと思います。
 
同行避難における猫はキャリーケースやケージでの避難となりますが、キャリーケースやケージに慣れてない猫ちゃんは避難所でとても怯えて緊張する事と思いますので、まずは普段からキャリーケースやケージを人のいる場所に置き、出入りを自由にし、慣らしておく事がとても大切な躾の一つであることを認識しておいて欲しいということです。普段キャリーケースやケージに慣れていれば、たとえ場所が変わってもキャリーケースやケージが安心できる場所になるからです。
 
それでは、それぞれの対応における注意点について考えてみたいと思います。
1、避難所での同行避難は一般にペットと人は別の場所での避難となりますので、飼育スペースや排泄物の処理は飼い主さんが責任を持て対応しなくてはなりません。フード、水、トイレの砂等は十分な量を持ち込む必要があります。また1日中キャリーケースやケージで過ごさなくてはなりませんので目隠しや暖を取る事ができる布等も必要です。避難された方の中にはもちろん猫の嫌いな方もいますから、迷惑をかけないような対応が必要です。

2、車中での同行避難は周りに気を遣わず過ごす事もできますし、フードやトイレの砂等の保管も十分確保できます。しかし、人は車中という限られた空間ですので、エコノミークラス症候群にならぬよう車外に出て、軽い運動等でリラックスすることも必要です。もちろん空気の換気等こまめに行います。また暑い日には車中の温度が想像以上に上がりますので、猫も人も熱中症に十分注意が必要です。

3、知人や親戚、動物病院、ペットホテル、保護施設等へ預ける際は猫の性格、食事内容、既往症等伝え、期間が長くなる場合は、知人や親戚などへのフード、トイレの砂の補充やお預かりの負担に対する謝礼等考えておきましょう。費用の負担の施設へ預ける際は条件、期間、費用等しっかり確認しておきましょう。最後に、二次被害の心配がない場合は自宅の二階等で猫だけを残して避難し、飼育に通うということも可能であれば、猫にとってはストレスのない対応かと思います。水害の可能性のある地域において多頭飼育をしている場合は、ブリーデンングスペース等を2階で儲けるのも良いと思います。

自然災害は突然起こりますので、ぜひ普段から人と猫の避難対応について具体的に考えておくことが必要かと思います。

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