2024-03-21
【コラム№38】猫の飼育頭数について
こんにちは、ZCCの花島です。3月に入り寒さも緩み過ごしやすい日が続いたかと思うと、急に気温が下がり真冬に戻ったかのような日があったりと、寒暖を繰り返し少しずつ本格的な春を迎えていくのでしょう。外を見渡せば春を告げる白梅、紅梅、河津桜、枝垂れ桜はすっかり見頃を終えて、ソメイヨシノの蕾が膨らみ始め、満開な桜の時期も間も無く訪れるのでしょう。
3月といえば卒業式です。今年も全国の動物専門学校で「キャットマイスターベーシック」と「キャットマイスターアドバンス」の資格試験を多くの学生が受験され合格し、4月からの仕事に役立つ事と思います。卒業生の皆様には動物業界でのご活躍を期待したいと思います。
年度が変わる頃に毎年「犬、猫の飼育頭数」の公表が「一般社団法人ペットフード協会」からあります。今回は昨年の飼育頭数の増減や飼育状況等の調査結果について検証してみたいと思います。まずは犬猫の10年間の飼育頭数の変化です。犬は2013年870万頭、2023年684万頭と毎年減少の傾向があります。猫は2013年840万頭、2023年907万頭と増加しています。この犬猫の飼育頭数の変化から猫の人気が毎年高まっていることが確認できます。最近のペットショップを覗いても、多くの品種の可愛い純血種の子猫たちを見ることができます。またテレビコマーシャルもいっときの犬全盛時代とは変わり猫が多くのCMで使用されていることでも猫人気の様子が伺えます。しかしながら飼育の品種についてみてみると犬は純血種が8割を超えていますが、猫の純血種の割合は2割程度と猫はまだまだ日本猫と言われる猫たちが多く飼育されていることが伺えます。核家族化、少子化、高齢化、住宅事情、女性の社会進出等が犬よりも手がかからず飼育できるパートナーとして人気が出ているのではないかと思います。新規飼育頭数は近年犬猫共に若干減少傾向が見られます。この辺りは近年の物価上昇等で猫の値段やペットフード等の値上がりによる飼育費用の負担等が考えられるかと思います。
猫の品種別飼育状況を見てみますと、多く飼われているのは「スコティッシュフォールド」「アメリカンショートヘア」「マンチカン」「ロシアンブルー」「アビシニアン」「ペルシャ」「ノルウェージャンフォレストキャット」「メインクーン」「ヒマラヤン」「ベンガル」などです。
ちなみにZCCにおける昨年の血統書の申請状況を見ますと多い順に「スコティッシュフォールド」「マンチカン」「サイベリアン」「ミヌエット」「ノルウェージャンフォレストキャット」「ラグドール」「ブリティッシュショートヘア」「ラガマフィン」「アメリカンショートヘア」「ベンガル」「ペルシャ」「エキゾチック」・・・となります。これらの申請頭数の数が販売店での扱い品種に影響が出てくるのではないでしょうか。
当店の猫のトリミングの受付状況を見てもマンチカン、ミヌエット、サイベリアン、ブリティッシュロングヘア、エキゾチックロングヘアなどが増えています。これほどの純血種や雑種猫の人気の秘訣はというと「日々の生活に安らぎが欲しい」「愛情をかける対象が欲しい」「家族内のコミュニケーションを増やしたい」「心の健康を維持、改善できる」「子どもに命の大切さを学ばせたい」などがありますが。犬にはない「不幸な動物を助けたい」という猫の保護活動に関係した優しい動機も見られます。犬も猫も今の社会においては立派なパートナーとして確立してきました。猫は外猫がまだまだ多くいますが、今後は法律で「猫の室内飼養」を推奨していますので、野良ちゃんたちが減ってくると思います。するとペットショップなどからの純血種の購入の機会が増えると思います。飼いたいという気持ちが行動に移るためには販売価格、飼育費用、医療費などのバランスも大きな要因となるのではないでしょうか。動物のいる暮らしは生活に豊な潤いや癒しや学びを与えてくれます。適正に飼いやすい社会情勢が維持され、さらに多くの猫たちが良きパートナーとして迎えられることを期待したいと思います。