2024-07-09
【コラム№41】梅雨の過ごし方と猫のネーミング その2
こんにちは、ZCCの花島です。
7月に入り2024年も後半戦を迎えました。梅雨が明けないというのに毎日暑い日が続いています。七夕の7月7日は静岡市で7月の気温としては1940年来の観測史上初の40.0度を記録し、この日は39度越えの地点が全国で19地点もあったようです。最高気温はほとんど8月に記録されるのですが、7月ですでにこのような気温になるのですから今年の8月は歴代の最高気温を更新するかもしれませんね。ちなみに歴代の最高気温は41.1度で2020年8月17日の静岡県浜松市だそうです。
こんなに暑い日が続くのですから、人も猫の熱中症対策をしっかりして過ごしてください。ちなみに熱中症というのは、気温と湿度が高い時に高体温で脱水する全身的な疾患です。体温が高くなると体のタンパク質が変性して各臓器の機能障害が起こります。最悪、多臓器不全で命を落とすこともあります。もちろん猫も肥満や心臓や呼吸器系に疾患のある子は十分注意をしてあげてください。一番の対策は有効にエアコンを使ったり、風通しを良くし水分を十分に飲めるようにしておく事が大切です。猫はエアコンの風を嫌う子もいますから、クーラーマットなどを与えておくことも効果的だと思います。万が一熱中症の疑いが見られたら、濡らしたタオルで体を包み体温を下げ、動物病院で診てもらうことが一番です。
さて、今月も品種の名前について取り上げてみたいと思います。暑い7月ですので涼しい気分になれる寒い地域の猫を取り上げてみたいと思います。寒い地域といえば北欧、北欧の猫といえば「ノルウェージャンフォレストキャット」ですね。直訳すると「ノルウェーの森の猫」、村上春樹氏の小説に「ノルウェイの森」があり、映画化されました。ビートルズの「ノルウェジャン ウッド」の楽曲がモチーフになっています。猫とは関係なかったですね。ノルウェーとはどんな国でしょう。面積は日本とほぼ同じですが人口は約26分の1の525万人(2022年)で「ノルウェーの森」というくらいですから国土に対する森林率は約33%で世界90位です。日本は森林率68%で世界18位なんですね。日本の方が森林率が高いのですね。ですから日本の森林とノルウェーの森林の持つイメージがノルウェーの方がきっと神秘的なんでしょうね。それは亜寒帯湿潤気候に属し、非常に日照時間の短い長く寒さの厳しい冬があるからではないでしょうか。「ノルウェージャンフォレストキャット」と調べると『寒さに強いオイリーコートの大型猫」とあります。ノルウェーはマイナス何十度となる厳寒ではく、マイナス5度位の寒さだそうです。とはいえ常時マイナス5度の長い冬の中で本当に昔からノルウェーの森の中で生き抜いていく事ができた猫がいるのでしょうか?恐らくほとんどの猫たちは、寒さと雨や雪の中では生き抜いていくことはできないと思います。ではどうして「ノルウェージャンフォレストキャット」が1品種として公認されたのでしょう。実はこの猫の祖先は温かい南ヨーロッパのドメスティックショートへアと言われています。その猫がネズミ退治のネコとして北ヨーロッパの農場ネコとなり、気候環境に対応したオイリーコートの長毛へ変化していったようです。そして1930年ごろにノルウェーの純血種としての保存活動が始まり1970年代にヨーロッパの血統書登録団体に登録されたようです。ですからこれらの猫は当然室内飼育でブリーディングされ世界中で公認された猫ですので、決して寒い森の中で暮らしていた猫ではなく、イメージとして名付けられた名前ではないかと思います。しかしながらノルウェージャンフォレストキャットの被毛は、霧雨や雨や雪を弾くオイリーなコートになっているという事実もあるわけですから、森の中で生き延びることもできたかもしれない素晴らしい猫ではないでしょうか。最近の国内のブリーディングの子達はオイリーである必要がないので意外とサラサラな被毛の子も多いようです。ノルウェージャンフォレストキャット、「長い冬の寒い中でも力強く生き抜ける小顔の凛々しい美しい長毛の優雅な猫である」が素敵ですね。